OCMC

Osaka Child Mind Center

社団法人 大阪市こども心理センター

日本で唯一こども専門の催眠療法室併設

高校2年生の女の子、留年まであと少しの時に来所!

2017-12-08  新着情報

高校2年生の女の子、留年まであと少しの時に来所!そして復学へ!

有名な私立高校に通う女の子がご両親と一緒に来所されました。

お母さんが事前に相談に来られていたので、当方は予備知識もありました。それまでに学校のカウンセラーや心療内科や不登校支援プログラムなどを受診していたが、一向に効果はみられず、復学はもちろん今ではほとんど外にも出なくなった。後20日近く休むと、留年と学校側から通知されているのにも関わらず、一向に動こうとしない。とのことでした。
親としては当然子供の態度にヤキモキし、親を無視する言動もありイラツキは、爆発寸前に来ているとのことでした。
母親相談の時も「子供にはきついことをたくさん言ってもきましたし、はげましの言葉もいっぱい言ってもきましたが、子供の態度はだんだん母親の手に負えなくなってきて・・・私が今まで娘に対して行なってきたそれらのことが、原因になっているのか、悪いのかもうどうしていいか、わからないのです。本当に助けてください」
カウンセラーの面談室に入って来た彼女は、顔は白く不機嫌な顔つき。カウンセラーの目を見ようともしません。しかし両親に部屋から出ていただき、ふたりだけで面談すると、さっきの不機嫌なイメージとはまったく違い、顔つきも普通の表情になり、どこにもいる普通の女子高生になっていました。
当方の思春期問題チェックシートやカウンセラーの質問には嫌がらず答えてくれました。

学校にいやなことはない。でも生き恥をさらすようで戻れない・・・。

「あれ、パパママのいてる時と全然顔つきが違うね」とふると「パパとママ、きらい!」「どうして?」「ウザイし、あれこれと口やかましいし、学校どうするのどうするのと、そればっかり言うし」「そう、それでキライになった?」「よく泣くし・・・」「泣くの?」「そう、最初はびっくりして、こんだけ親は心配しているんだと思ったけれど、最近は、もう何とも思わなくなっている」
「でも留年まであんまり時間がないとか」「いいの、高校なんか行っても楽しくないし、第一あんまり人の居るところに行きたくない。人と話すのもなんとなく面倒になってきた・・・」「いつからそんな感情が出てきたの?」「中3位からかな」「でも学校へ行っていた?」「そう、何か行かなきゃという思いは強かったから、行けてたとおもうけれど、本当は行きたくなかった」
「大学はどうするの?」と聞くとしばらく考えて「やっぱり行きたい!」「じゃ高校は? どうしますか?」「そこですね。やはり問題は・・・通信とか、単位制とか、に乗り換えかな。たぶん」「今の高校は、嫌いですか?」「全然嫌いじゃないけど・・・」「お母さんに『高校やめる』など色々言っている手前もあるし・・・」「それも少しあるけど、正直言うと、教室に戻りにくいです。長期休んでた分、クラスの全員から白い目でみられることを思うと、教室にいくのが恐いし、なんか教室に入ると生き恥をさらしてみたいな、そんなイメージが頭をよぎって、とてもじゃないけど戻れないです」

学校へ行きたい!だけどみんなの目が恐い!行きたいけど、行けない!

やはり本人のプライドが大きな壁になっていました。多くの不登校児が陥る状況で、不登校を長引かせる一番の要因です。
数回、催眠療法を受けるにつれ、心の中は「学校に戻りたい、行きたい」と気持ちが占めているのがわかりました。
その気持ちをしっかり持たせるとともに、大学に行きたい気持ちをも気づかせる方向へ導きました。そしてプライドを傷つけずに、学校に戻りやすい環境を学校側とも協力していただきました。

心も身体もポジティブに変身し、ギリギリの段階で高校に復学!

そして留年ぎりぎりの段階で、見事に復学できました。彼女の気持ちを伺うと「本当に良かったです。心のどこかではもう自分はダメだ。ひょっとしてこのままの状態がずーっと続くのではと不安だったけれど、催眠を受けるにつれ、何か自分がどんどん前向きに変わって行くのがわかって、それも良かったと思います。学校に戻ってみて心配だったみんなの視線やイヤミな言葉も全然なくて、以前とまったく一緒だったのに、救われたし、今までなんで悩んでいたんだろうと思いましたし、取り越し苦労していたのだなぁと実感できました。でもその時は結構どつぼにハマっていたんですね。気づくのが遅かったけれど、間に合ってよかったと実感しています。」
その後、一日も休むことなく学校に通っているとのこと。復学当初はお母さんが車で送り迎えしていたのに、今では電車で通っていて、日曜日には友達とカラオケ等にも行っているとのこと。
また催眠療法で復学できたことに、うれしく思っています。