OCMC

Osaka Child Mind Center

社団法人 大阪市こども心理センター

日本で唯一こども専門の催眠療法室併設

不登校を催眠療法で改善した復学実例7

2023-04-04  復学事例, 新着情報

🟠過去にあった記憶に残る不登校児の話🟠

中学1年生のややぽっちゃりした体格で大柄で童顔の男の子が来所。理由はもちろん不登校なのですが、起立性調節障害がきっかけでは?ではというのがお母様の意見でした。学校名を聞くと、関西でも進学校として中高一貫の有名校です。「朝、起きなくなり、昼頃まで寝ています。主人は、外国へ赴任していて年に数回しか帰ってきません。主人がいてる時は、行く時もありましたが・・・あちこちの病院や不登校の支援施設やら色々行きましたが全然改善せず、藁をもつかむ気持ちで来ました」とお母様は心の内を吐露されます。 「理由は正直分かりません。起立性調節障害を疑いましたが、小児科では違うとのことで、いじめもなく、成績も良い方です。本人も何故か、わからないと言います」

そして発達検査を受けた診断書を見せていただきました。それにはアスペルガー症候群(現在は自閉症スペクトラム)でIQはなんと130と出ていました。知能指数はかなり高い。ただ色々な数値の上下幅がひろく、検査した心理士からこれが問題ともいわれたとのことです。 また大人になって生きづらさを覚えるとも言われたとのこと。

2人だけで面談して話しました。IQ130はかなり高い数値です。やはり面談してみると、知識も豊富であり、ジャンルもおとな顔負けの広さ、ロジックもとても13歳とは思えません。本が好きで、一度読むと、忘れないくらいだそうです。頭のいい子を感じさせます。

学校のことをお聞きしました。本当は学校は戻ったほうが良いのはわかるけど、今戻ってしまうと自分の弱さをみんなにひけらかすようで・・それがちょっとイヤなんですと語る。正直第1回目の面談は、当方は聞くだけで一方的な話しに終わりました。 そして面談終了後、了解を得て催眠をかけ、未来を見ると「海に関する研究所に勤めている自分が居て結構楽しい」との映像がリアルに見える。そして勇気のインプットとストレス解消の催眠を施して初回は終わりました。不思議な感覚、こんなのがあるんだと、トランス状態を肌で感じたそうです。その魅力のせいか その後、月に1回か、2ヶ月に1回くらい来所をなんと17~18歳くらいまで続けます。
理由は朝スッキリして起きれるし、リラックスして出来るからとのこと。効果の割には、行かないという信念が強く持っていたため、中学3年になっても結局行かず、当然上の高校は進学できませんでした。
ご家族は通信制高校を勧めるが、「通信制行くなら最初から中学へ行って普通の高校へ行っていた」と拒否。
しかし当所にはマイペースで来所を続ける。背も180センチを越すほど長身に・・そしてある日、(普通なら高2の頃)催眠をしている時に「もうひとりの自分が出てきて大学を受験しなければ人生は間違った方向に行く」と言われたといい出し、親も驚くほどの受験勉強に励みだし、塾へも通い出す。

「先生のおかげで自分の道が見出せた」とは本人の弁。 そして当時大検(現在は高校認定資格)を受け、大学受験資格を得た。そして東京の難関私立大学に合格。 「現役合格しました」と本人からメールをもらう「うん現役合格でね」と返信したのを覚えてます。
卒業後、1度近くに寄ったからと来所してくれた。約5年ぶりの再会であった。どうしてると聞くと「今は◯◯企業の法務関係の部門にいる」とのことで、我が事のようにうれしかった。 最後に「正直言うと、あの時はやはり苦しかったです。死ぬことも考えていたけど、先生と出会えて良かった。本当です。おかげで、今の自分があります。出会えなかったら今時分は引きこもっていたかもしれません」 中学も行かず、高校も行かず、難関大学へ行ったという彼は、当所では唯一のお子様であり、私自身いろいろなお子様を見てきた中でも、もっともインパクトあり思い出にしつかり残っているお子様です。

今はコロナ禍から物価高の不景気の時代、少し時間ができたのでブログにしてみました。

#不登校 #起立性調節障害 #大阪