OCMC

Osaka Child Mind Center

社団法人 大阪市こども心理センター

日本で唯一こども専門の催眠療法室併設

自分を変えることが出来るのは自分しかない・・中2女子の気付き

2021-12-22  復学事例

数年前の話です。

不登校3ヶ月の中学2年の女子がお母様と来所されました。
学校ではむしろ活発で、リーダーシップもあり、担任の先生も「なぜ不登校に・・?」と彼女と不登校が結びつかないとのこと。しかしお母様は、あまり家で話さなくなった。ベッドに座って一人考え事をしている時間が増えてきたなど、急な心の変化を感じていたようでした。
お母様に席を外していただいて、二人だけで面談。学校に行かない理由を聞くと、別に取り立ててないとのこと。「友達とちょっとした言い合いはあったけど、別に仲が悪区なったわけではないし・・・なぜ学校に行けないか、自分もわからない。でもなぜ学校に行かなくてはいけないのか・・なぜ勉強しなくてはいけないのか・・その理由もわからない」と言い、また「自分は生きる意味があるのか、生きている意味があるのか、生きる価値があるのか、それすらもわからない」と話します。
色々な話から、思春期ならではの、自分は誰?自分はどこにいるの?などなど、自分探しの旅に出ているようでした。

お母様の了解のもと催眠をかけ、友達とのこと、学校とのこと、勉強のこと、進学のことを聞きました。
「学校は楽しい、友達と遊びに行きたい、高校へ行きたい、親友と同じ高校へ行って一緒に登校したい」との話が返って来ました。「でも今休んでいるのね」と問うと、急に顔つきが暗くなり「そう、それがわからない」と・・・

そこで20歳になった自分の未来を呼び出しました。そして未来の身体に入る人格交代法を施しました。つまり未来の自分から、中学2年を振り返らせるのです。
簡単に言うと「学校へ戻ったほうが良い」「勉強して目標の高校へ行く」「大丈夫、きっとうまく行く」「今なら戻りやすいよ」とのメッセージを未来の自分からしっかりと言葉を発しました。
私が「最後に何か力になる言葉をあげて」というと、ちょっと考えた後「自分を変えるのは自分しか出来ないよ」との言葉が出て来ました。

そして施療3日後お母様から「今日、朝から学校へ行きました」と連絡をいただきました。その後も順調に登校し、当所にはモチベーション維持と集中力UPで何回か来所されました。