ゲーム障害に催眠療法は有効です
ときどき催眠療法はゲーム障害に有効ですか、との問い合わせがあります。
とくにテレビで催眠療法の放送を見て「ひょっとして催眠ならばゲームをやめさせることができるのでは?」と思われてです。
ゲーム障害の相談でお母様が来所。有名進学校の高校1年の息子が学校から帰ってきたら即ゲームで、夜の2時から3時頃頃までしている。登校しているが成績の方が悪くなり、「このままでは留年」と担任から言われているにもかかわらず、ゲームをやめないので、催眠療法はどうかと思い、当方に来られました。それまでに病院を回られたそうですが、結果に結び付かなかったそうです。
催眠療法がゲーム障害にどう効果があるかを説明した上で、数日後ご子息を連れて来所された。
事前に催眠ということは言わないようにとお母様にお話し、彼と二人だけで面談。学校や勉強、大学、さらにはゲームなど、今後どのようにしたいのかをお話し合いました。今後の目標については「K大学」と国立の名をあげたので「どう行けそう」と問うと「もうそろそろ勉強に力を入れたい、勉強には自信があるので頑張れば合格できる」と話す。
「ゲームは?」と問うと「やめたいけどやめれない。それにオンラインフレンドもいるし・・・」「でも、やめたい気持ちは強いものがあるんだ」と言うと「あることはあるけど、今は微妙」との返事。「このまま行くと留年もあるよ」と言うと「そう考えるとなんとかしないといけない」。
ゲーム障害に対する催眠療法テクニックとは?
そこで彼に「ゲームよりも勉強するという気持ちを強く持つ、セラピーをやってみようか。」というと「本人も納得し催眠療法を行う。
まず「ゲームを1時間続けると『面白くなくなってくる、楽しさも感じない』を潜在意識にインプット。そしてリアルに面白く無くなる映像を夢を見るがごとく頭の中で出させます。本当にゲームがつまらなく感じることができます。そして大学受験の目標も同じようにK大学にインプットする。
結構深い催眠に導くことができ、本人も不思議な感覚でしたと語り初回のセラピーを終えた。
1週間後お母様だけが来所し、その後の経過を報告。ゲームはするけれど時間はだいぶ減ってきて、勉強にも取り組むようになってきた。そして本人がもう一度セラピーを受けたいと希望していると語る。
計4回施療する。お母様は継続療法を希望されたが、本人は「もう大丈夫」とのことで来所せず。その後数年後、なんと弟が学習催眠で来所し兄のことを聞くと地方の国立大学に入学したとのこと。
希望する大学ではなかったけれど、良かったと思いました。