OCMC

Osaka Child Mind Center

一般社団法人 大阪市こども心理センター

日本で唯一こども専門の催眠療法室併設

イジメ後遺症の事例。中年の引きこもりの方が来所。子供の頃のひどいイジメが原因で、対人関係が苦手になり、大人になっても、ずーっとひきこもる。

2017-02-28  新着情報

10年ほど以前のお話です。40代前半の男性がやってきました。あまりお顔を見て判断する方ではありませんが、一目見てこの方は「ご両親に苦労をかけているな」というのがの第一印象でした。
生気のない顔つき顔色、痩せた体、両肩も前へ凹み加減で前屈みにして歩くような姿勢、元気の無い声、自信なさげな歩き方、自信の無い話しぶり、目を見て話さないなどなど・・・少しお話を聞くと、これは当所よりも心 療内科か精神科からの受診が良いと思い「まずは心療内科、精神科の病院診察を受けてみたらいかがですか」というと彼は「何回も受けていて、お薬もいただ いています。鬱と診断されましたが、もう治ったとも言われています。あとは社会復帰のための心のリハビリを受けて下さいといわれた」というのです。
「じゃ、リハビリはどうしましたか?」「民間の施設へ行きましたけど・・・何カ所かの施設へ行きましたが、みんな自分とは合わなかったです」。

小中学校のイジメが、トラウマとなり、心のキズに。

彼 曰く小学校の5年位から起立性調節障害で、不登校が始まり中学1年〜2年まではほとんど行かず、中3 年の時に復学するがひどいイジメに合い後半は不登校に。高校は通信制高校に、高校は全日制高校と変わらず、ほとんど休まず学校に行く。がんばったとのこと。卒業後コンピュー ターの専門学校を行き卒業。ゲーム関係の会社に就職するが約3年で退社。辞めた理由は、毎晩夜遅くまでの仕事で、週1回は徹夜も。辞めてから以後家にずーっとひきこもり状態だとのこと。
小学校と中学校でクラスの多くの男子生徒からイジメの対象になって、今でもその当時のことを思い出すと心のキズがさらに広がりそうだと言います。
言葉のイジメだけでなく、暴力やお金を取られるなどなど常に対象になっていたと語ります。父がよくそこまでひどいと警察へ相談しよういうと、母親が子供の進学にも関わるし先生の印象も悪くなるから内申で何を書かれるかわからないからと、大反対したそうです。

年老いた両親に心の中で謝っています。

高校でも社会人になってからでも、言葉のイジメはありましたけど、小中学生の頃ほどではありませんでした。でも“イジメられる星の元におれは生まれてきた”のではと感じたのだそうです。
「人が信用できなくなりました。今は何をしてもダメなような気がして、何もする気が起こらないです。でも父も母も、もう70才を超えました。さすがに、こ のままじゃいけないと思います。母には迷惑をかけっぱなしで、心の中ではいつもいつもゴメンゴメン、情けない息子でゴメンと謝っています。何とかしたいの ですけど、働かなダメだと思うのですけれど、動けないというのか、どうしたら動けるのか、わからないのです。この間、両親が夜話しているのを聞いて、私の ことで母が泣いているのです。いつも明るい母が泣いているのです。正直大きなショックを受けました。ニコニコしていつも自分の話しを聞いてくれている母 が・・・(号泣)。そこまで心配をかけていたんですね。おれってバカですね・・・」そこでなんとかしたいと思い、ここのホームページを見つけたと語ってく れました。

リハビリ施設へ行くが、周囲と合わずすぐ退所

今は何かをしているのと問うと「何もしていないです。自分の部屋でパソコンを しています。ゲームとか動画を見ています」「何時に起きますか」「11時か12時位です」「それからは?」「食事して、あとはパソコンです」「外へは出な いですか」「はい、めったに出ません」「どうして出ないのですか」「いく所も無いし・・たまに母に変わって買い物へ行くくらいですね。2〜3ヶ月に一度 位」。
「この施設をホームページで見つけたのはいつごろですか」「2年くらい前ですかね」「じゃー今までの2年間は、いや〜行こうか、どうしょうか、迷っていま した。」「他にもいろいろと見つけましたか」「はい。他にもあって迷いましたし、行った所も何カ所かありましたし」「行ってどうだったの」「ちょっと違う とか、自己啓発とかありましたし、でも何か違うと感じたです」「いろいろこだわりがあるのですね」

本当に親を早く安心させたいと思うのですが・・・なかなか・・・

「今 はどうしたいですか」「やはりちゃんと働いて親を安心させたい」「じゃーどうします?」「働き口を探そうと思います。そう、いつもそう思うのですけ ど・・・」「身体が動かないということですか」「動かないのか、動こうとしないのか、動けないのか、自分でも、シンプルに考えたいのですが、ダメなんで す。」「働くのに自信はありますか」「いや〜わからないですけど、いつまでも甘えたこと言っていると自分に成長が無いし、自分の今後もないのは、よ〜くわ かっています。」

催眠で心の中をのぞいて見ると?

そしてセッションを開始しました。催眠との相性がとてもよく、わずか数十秒で催眠状態へと導くことが出来ました。
そこで未来的なというより今後のお話をしました。
「今の状況をどう変えたいですか」「やはりしっかり会社に勤めて、親を安心させてやりたいです。それが今自分に出来るせいいっぱいの親孝行だと思います。 がんばれそうです。そんな気がします」「じゃー具体的にどうするのか、どうしたいのかを教えてください」「最近は求人のチラシとかを真剣に見ています。ど こか良いとこがないか。自分の苦手な対人関係がゆるやかそうなところを見てます」「たとえばどのようなところですか?」「タクシーのドライバーとか、運送 のドライバーとか。やはりあまり人との関係を気薄なところが良いという思いが強いです」「どちらかというとひとりで仕事ができるようなところですね」「は い。そうです」「見つかりそうですか」「見つけます。見つけなければ、今度こそ自分がダメになってしまうと思っていますから。何とかしたいです」

5年後の未来を見てみると・・・

そ して未来の自分の姿を出してみました。未来の自分が見えてきますよ、と言うと「あっ、何かマッサージをしている見たいです。自分でお店を持って働いていま す。以前、親戚の人が鍼灸の資格を取って店を出したと聞いた事があり、私もちよっと考えたことがありました。」「どうです。頑張っていますか」「はい、顔 も元気そうで明るいです。何か安心しました」「良かったですか?」「はい、とても。何か参考になったと思います」「お客様とはどんな感じにみえましたか?  何か自分の店を持っていたからなのか、自信を持ってせっしていたみたいです。

マッサージ師の資格取得をめざして・・・

それか ら2ヶ月後、来所され、今マッサージの勉強をしているとのこと。まずは資格の取りやすい民間のマッサージから研修を始めたとのこと。やってみて自分に向い ていると思うとのことで、そしていずれは店を持ち、チャンスがあれば国家資格をもめざしたいと語る。「良かったね」と言うと「ここに来て、本当に正解でし た。目の前が開けたとはこのことを言うのですね。40才過ぎて遅いですが、がんばります。」との言葉で、お役に立てて良かったと思いました。

あれから10年以上経っています。がんばっていると願っています。いや確信しています。