OCMC

Osaka Child Mind Center

一般社団法人 大阪市こども心理センター

日本で唯一こども専門の催眠療法室併設

お母さんを困らせたいという冗談の行為が、不登校へとつながったケース。

2017-03-14  新着情報

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お母さんを困らせたいという出来心の行為が、不登校へとつながったケース

 

突然、ある日を境に学校へ行けず、不登校に!

中学1年生の男の子がご両親と一緒に来所されました。入ってくるなり「こんにちは!」と明るい声。表情もニコニコとして元気なイメージで、一般的な不登校のお子様とはちょっと違います。事前にお母様が相談に来所されていました。
不登校になって4ヶ月あまり、今も学校へまったく行けていないとのことです。不登校が始まったは6月中頃からで、 突然だったそうです。それまではサッカーや野球等元気で友達と遊ぶ、どちらかというと陽気で明るい性格で、まさか内の子が不登校に、それもある日を境に突然になるなんて、まったく想像もしてなかったそうです。
朝の状態はと、お聞きすると腹痛や頭痛、吐き気、低血圧等もなく、まったく普通の状態で元気。しかし学校の話しをすると、不機嫌になって自分の部屋に入って出て来ない。担任からの電話、朝の友達の誘いなども、いっさい拒否しているそうです。
学校以外の話題なら、家の中ではよく話すし、よく笑うし、こんなに元気なのにと・・・今では何がきっかけで不登校になったのかわからないと言います。
よくあるケースで不登校の前兆はまったくなかったとのこと。そして学校へ突然行かなかった日の朝のことをお母さんは語ってくれました。
「学校へ行く時間になっても、 じーっと玄関に座ったままで動かず、私がどないしたのと声を掛けると、突然大声で泣きし出して『学校へ行きたくない』と私にしがみついてきたのです。何があったの、どうしたの言ってご らんと言っても、首を振りながら『学校へ行きたくない』とそればかりを言うので、ひよっとして学校で何かあったのではと思い、とりあえずはその日は休ませたのですが、次の日も次の日も同じで、これは学校でイジメ等きっとイヤなことがあったと違いないと思い、担任 にあって、このことを申し上げました。
そうすると先生は、それはないと思いますと語り、普段から明るいし、友達も多くて、みんなを笑わしたりするし、とてもクラスの中でイジメられていたなんてそれは絶対ない ですと断言されました。クラスのお母さんやお友達にも聞いたのですが、知らないとか、それはないとか答えは一緒でした。
近くの心療内科や不登校専門の支援施設へも行きましたが、復学できず、ずーっとこの行けない状態が続いている」と話されました。

戻りたい気持ちは強いけど、友達の言葉や視線を考えると、行けないし恐い。

そこでお子様と二人だけで面談しました。「学校休んで、どう気が楽になりましたか」
「最初は休めてラッキーと思って、学校へ行かなくていいんだと思ったら、なんとなくうれしかったけど…」
「今はどうなの?」
「今は、ちょっと…そろそろ戻らないとやばいかなぁとは、思っているし…、戻るにはどうしたら戻れるか、わからないし…」
「戻りたいですか?」
「はい、……でも恐いです」
「なにが恐いの?」
「みんなから何て言われるか、それを考えるとやっぱり恐いし、ズルしてたんやろとか、ひきょうもの、おくびょうものとか、こすいやつとか、色々言われそう で…それに友達の目線も軽蔑されるような目で見られて、それも恐いし、戻ることを考えるとそれが恐くて、学校へずーっと戻れなくなるのと違うかと思ってい ます。お母さんもゲームをしてくれていたカウンセラーの先生も、そんなん気のまわし過ぎやと言うのですけれど、でも自分はなかなか解決できないです」
「そうか、友達から何が言われるか、それが恐いんでね。やっぱり考えると恐いよね。じゃーどうしたらいい?」
「それがわからないです。わかる方法があればやってます」

お母さんを困らせたいと思い、芝居をした行動が、長引く不登校へのきっかけになる!

3回目のカウンセリング&セラピーの時には、けっこうお話が好きな子で、彼の性格もあってカウンセラーとの信頼関係が高まったと実感。
「ところでお母さんからちらっと聞いたけど、学校へ行きたくないって言い出したその日から休み出したって」
「あ〜、あれ・・・・・・」と苦笑いをし出します。少し照れた様子。その表情が気になって少し突っ込んで聞いてみました。
「あれって?何かあるの」
「いや、いいんです。」とかわすが、当方はそれを聞き出そうと回り道をしながら、彼から話しを引き出すことができました。
「学校とか、友達関係とか、先生とか、何かイヤなことがあったの?」と問うと
「イヤなことなんて何もなかったです。全然です。これは本当です。でもお母さんがパニクっちゃって色々学校へ行って担任や校長先生に話したらしいけど・・・僕とすれば、なんで校長先生にまで話しをし にいくかなって、ええかげんにしてよっていいましたけど、ママは心配やから話しに行ったって。僕自身本当に何もなかって何でこんなことになるのって、少しとまどいました。学校は好きだし、楽しいし、みんなと遊んで楽しいし…、ただママが いつまでも子供扱いするから、そこでママを困らせようと思って、あんなこと言ったのが、本当のことで、意味も何もないんで す。でもママがおおげさに騒いだんです。こっちはママを困らせたかったし、どう反応するのかも試したかったんです。決して学校がイヤじゃなかったんです。ママがおおげさに騒げば騒ぐほど、ますます行けないし、というのが実情です」
「お母さんの学校に対する対応の事もあったけど、自分とすれば休み過ぎたってわけだね」

「2週間ほど休むつもりが・・・」いざ戻ろうとすると、何と恐怖心が出てきたのには、ちょっと驚き

「2週間くらい経って、あ〜思い切り休んだ『楽した〜』っと思い、学校へ行くことを考え始めたら、心の奥底で、休んだことに対して友達から何て言われるかと考えると何やら急に恐くなって、
ついに行けなくなってしまったというのが本当なんです。まさかこんな心の変化が起こるとは思わなかった」
「お母さんに言いましたか」
「言ってないです。そんなこと言ったらママからもパパからも、どつかれちゃいます」

徐々に戻る方法を模索し、順調に復学の階段をステップアップ。そして当日開催されるイベントの誘いに先生が突然の来訪。

4回目のカウンセリングの時、本人とご家族を交えて戻る方法を話し合いました。
そこで段階を踏んで、徐々にゆっくりと学校に戻る案を提案しました。彼も賛同しました。
まず1週目は、学校に誰もいなくなった、夕方から学校の正門近くあるいは正門まで行く。次の2週目は教室に入るチャレンジ。そして次の3週間は朝誰もいない時に教室に入るでした。そしてお父さんの協力のもと、実践が始まりました。最初はしぶっていたそうですが、実行します。2〜3日経つと本人にも少し自信が出てくる。
そして3週目の早朝の登校練習の週に、見学のイベントがあるとのことで、本人には内緒で行かせるように仕向ける仕掛けをする。それは「出来れば先生に当日迎えにきて下さいと依頼をしてみては?」と両親にお願いし、お願いしたところ先生は快諾。
早朝学校から帰ってきたら、先生が突然来訪。当然本人はびっくりし、しかも逃げ場がなかったそうです。そして先生は「今から○○へ行くで、早く準備をしてや。みんな待っている」と言い、連れ出しに成功。
夕方イベントから帰ってきた第一声は「楽しかった〜、良かった〜」。彼が心配していたことは、結局何もおこらず、クラスの友達は普段通りに接してくれたとのこと。先生によると「いつもの彼の姿でしたよ」とのことで、そして翌日から復学しました。上手に復学できた一例と言えるでしょう。

もちろん、当方に来所中は、自我強化の催眠療法も併せて施療しました。当所としては心の強化やポジティブ思考など、それらも大きく貢献したものと確信しています。